シワの原因:紫外線

シワをつくる原因

皮膚の弾力とハリが失われると、タルミが生じてシワとなります。
発生の初期は角質層の保湿力の低下、皮膚の乾燥、一時的な栄養不足などの原因が考えられ、進行するに伴って深さは真皮層にまで達します。
コラーゲンやエラスチンが変性し、皮膚の弾力は低下します。
これらの様々な要素が絡み合ってシワは発生します。
また、加齢による内的な原因だけではなく外的にも様々な原因が考えられます。

紫外線

紫外線の浴びすぎはコラーゲンやエラスチンの退行萎縮を促進してしまいます。
紫外線にあたりやすい顔や手などにシワが多く見られるのは紫外線の影響です。
若い頃の過度の日焼けは早期の老化を招くことになりかねませんから、外出の際は帽子をかぶる、日焼け止めを利用する、日傘をさすなど積極的に紫外線を避けましょう。

シワの原因:表皮の汚れ

皮膚表面の汚れは皮膚の新陳代謝を阻害し、正常な皮膚細胞が生まれにくくします。
その結果、保湿力の低下をきたし、乾燥をまねいてシワの原因になります。
清潔な状態に保つには正しい洗顔が欠かせません。
洗浄力の強い洗顔料でゴシゴシこすったりせず、皮膚に刺激を与えずに洗顔することを心がけましょう。
肌の清潔は皮膚が衰えることを予防する1つの方法です。

シワの原因:栄養不足

美しい肌を保つためにはバランスのとれた規則正しい食事が基本です。
体を構成している基本物質はタンパク質です。
私たちはタンパク質を食事から摂取していますから、極端な偏食や無理なダイエットは、タンパク質を不足させ、さらにミネラルやビタミンも不足させるので肌荒れの原因となります。
ひどい場合は、細胞の一つひとつに栄養が供給されなくなり、活動が鈍ったり、細胞を死滅させたりすることもあります。
栄養不足はシワ発生の原因の大きな一つです。

シワの原因:睡眠不足

睡眠不足になると肌がくすんだり、肌荒れを起こします。
睡眠を十分にとり体調を整えないと、皮膚細胞自体が疲労し、ハリが失われ、やがてシワとなってしまいます。
夜の10時から午前2時頃までは、肌の新陳代謝が活発な時間帯ですから、この時間帯を含む約8時間前後が理想の睡眠時間です。

シワの原因:ストレス

過度のストレスは皮膚に悪影響を与えてしまいます。
いつもイライラしている神経質な人ほど早くシワが増えるといわれます。
ストレスにより体内には活性酸素が発生します。
活性酸素は外部から侵入するカビやウィルスなどから体を守ってくれますが、できすぎた活性酸素は体にダメージを与えます。
不安定で、物質を酸化させる活性酸素は、皮膚の脂質を酸化させて、皮膚の乾燥をまねきます。
ストレス解消できるように、趣味やスポーツで体を動かしたりしましょう。

シワの原因:炎症

かぶれるただれる、腫れるなど皮膚の炎症は程度が軽くても慢性となると、皮膚へのダメージは大きくなります。
真皮層の結合組織が活性を失って、皮膚に弾力を失わせてしまいます。
また、炎症を治す軟膏など薬剤も適正量を正しく使用しないと肌には悪影響を及ぼすこともあります。

シワの原因:誤ったスキンケア

毎日の手入れのちょっとした注意の差がいつの間にか小じわの原因になってしまうことがあります。
例えば、メイクをきちんと落とさない、洗顔のときゴシゴシこすり洗いする、熱いお湯ですすぐ、すすぎ不足など、毎日行われることで肌には大きな負担となります。
また、自分にあった化粧品でなければ、逆に皮膚を傷めることもあります。
自分に合った化粧品を正しく使うことが大切です。
そのためにはサンプルで試したり、化粧品を試すときは、積極的にアドバイスを受けるなどしましょう。

シワの種類:小ジワ

シワとは皮膚の表面にある溝が深くなり目立ったもので、皮膚の老化によって生じる現象の一つです。
表情によってできるシワや加齢による避けられないシワなど様々なものがあります。
小じわは皮膚の薄い目や口の周りにできるシワのことで、肌が乾燥することでできる浅い溝で20歳代の若い年代でも見られます。
たっぷり水分補給し、クリームなどでうるおいをキープすることで回復できる段階です。

目じりの俗に言う「カラスの足跡」を指で広げて、そこでシワが見えなくなるようであれば、まだ浅いシワです。
ですが、そのままにしておくと深くなってしまいます。
目じりの小じわの場合、20代半ばまでは10ミクロン程度ですが、その後、深くなるスピードは急激に進みます。

肌のたるみは目元から始まります。
目じりは皮膚も薄く、皮脂分泌量の少ない部分なので乾燥しがちです。
年齢を重ねると目じりのシワは深くなっていきます。
スキンケアでうるおいを保つことによりシワをできにくくすることができます。

シワの種類:大ジワ

皮膚の表面の溝が年齢とともに深くなったシワのことをいいます。
真皮層のコラーゲンやエラスチンが変性し、また、ヒアルロン酸も減少することから小じわは深くなっていきます。
さらに、筋肉が衰えて痩せ、そこに脂肪がつくことで深いシワができるわけです。
大ジワの代表的なものとして額のシワや口角、上まぶたのくぼみ部分などがあります。

シワの種類:ちりめんジワ

体内の異常によりできる細かいちりめん状のシワのことです。
高熱により脱水症状を起こしたり、急激に痩せたり、極度のダイエットによる栄養失調などが原因です。
時として皮膚疾患の後にできることもあります。
これらの原因を取り除くことで治癒は可能です。
つまり、保湿力を高めるスキンケア、タンパク質やビタミン、ミネラルを摂取することです。
また、血行不良になりがちな毛細血管や皮脂腺の皮脂分泌機能などを活発にする、蒸しタオルやマッサージ、パックも有効です。

マッサージの仕方

顔の中心から外側へ、下から上へ向かってシワの方向と直角に手を動かすことが基本です。
油分を多く含むマッサージクリームよりも水溶性のジェルタイプのクレンジングなどで入浴時に行うと、皮膚が柔らかくなり毛穴が開いて汚れも落ちやすく、血行促進にもなります。

マッサージの作用

  1. 皮膚の血液、リンパ液の循環を促進する
  2. 表皮の新陳代謝を活発にする
  3. 皮膚の抵抗力を増す
  4. 汗腺や皮脂腺の働きを活発にする
  5. 皮膚呼吸を活発にする

シワの種類:表情ジワ

笑ったり泣いたり、感情表現をするときに生じるシワです。
表情筋の収縮によってできますが、年齢とともにシワは深さを増し、次第に固定されて目立ってきます。
顔面には約40数個にも及び表情筋があり、それらがお互い収縮したり弛緩したりして表情が形作られます。
その際にできたヒダやくぼみが表情ジワになるわけです。

顔の筋肉は収縮すると皮膚にシワをつくり、それに伴って表情があらわれる。
そのシワの方向は筋肉と直角になっています。
従ってマッサージなどは化粧品をつけるときは筋肉の流れに沿って行うことが理想です。

シワとコラーゲン(膠原線維)

密集して立体構造を形成するコラーゲン

老化に伴い、皮膚は薄くなっていきます。
真皮層の厚さを測定すると、20歳代をピークに、その後は年齢とともに薄くなる傾向にあります。
それに伴い、コラーゲンの量も減少すると考えられます。
コラーゲン線維は真皮乳頭層では細かく密集しており、網状層ではより太い線維が粗く、ゆるく絡み合っています。
線維の方向は複雑で、立体的な網目構造となっています。

この立体構造が皮膚の弾力性や伸縮性を生み出す源です。
外から圧力が加わると網目状構造は変形しますが、圧力が除かれると元に復元します。
復元するときには弾力線維のエラスチンの働きも大きく関わっています。

ところが、老化するとコラーゲン線維の網目構造はまばらとなり、線維そのものも1本1本が細くなります。
その上、直線的になり、線維同士の絡み合いがほとんどなくなり、ほどけかかっている状態もしばしばあります。
このようなコラーゲン線維の減少は、皮膚の弾力性喪失につながり、シワの原因となります。

コラーゲンの変化「橋かけ」

老化とともにコラーゲン線維そのものの減少に加えて、線維の分子的結合の変化もあります。
コラーゲン線維は、架橋(橋かけ)によって分子と分子が結び合わされています。
線維間をちょうど橋をかけたように横断し、結合させているので「橋かけ」と呼ばれます。
この橋かけは、若くて健康な皮膚の場合には、一定の間隔をあけて存在しているが、年を重ねるとともに増加する傾向があります。
一定間隔に一定の数の橋かけはコラーゲン線維をバラバラにしないで強度を保つ意味で非常に重要ですが、加齢により増えた橋かけの場合は、コラーゲン線維の働きを阻害し、皮膚組織の硬化をまねきます。
橋かけの増加もシワやたるみの一因になっています。

健康なコラーゲン線維は、その断端が他のコラーゲン線維の断端と架橋構造(橋かけ)により結ばれています。
このことで皮膚は弾力を保っています。
加齢に伴い、線維間に必要以上に橋かけができてしまうと、コラーゲン線維は硬くなってしまい、柔軟性が失われます。

シワとエラスチン(弾力線維)

伸縮の源、エラスチン

真皮層には膠原線維のコラーゲンの他に、弾力線維も存在しています。
弾力線維の主成分はエラスチンです。
網目構造をなすコラーゲン線維の網目の交点にあたる部分にあり、その名の通り弾力性に富み、伸び縮みの力の源になっています。
人体の中では恒常的に伸び縮みに関わる臓器には大量のエラスチンが存在しています。
骨格と筋肉との動きに応じて、伸び縮みする靭帯や、血流に従って伸び縮みする大動脈壁にはエラスチンが多く含まれています。

シワを固定するエラスチンの変性

真皮に含まれるエラスチンの量は、靭帯や大動脈壁に比べて少なく、その働きは重要です。
エラスチンが存在しなければ、外からの圧力が除かれた後の皮膚の復元力は著しく劣ったものになってしまいます。
エラスチンは規則的にカールしてコラーゲン線維に巻きつくような形になっていますが、加齢とともにカールが伸びきってしまったり、1本の線維であったのに枝分かれしたりして、皮膚の弾力性を低下させます。

エラスチンの変性は、正常な弾力性を低下させるばかりか、不要な弾力性を作り出してしまうこともあります。
つまり、シワが固定されることがあるわけです。
シワを引き伸ばそうと直角の方向にひっつぱっても消えにくい状態になってしまいます。
特に紫外線を多く浴びた場合は深く刻み込まれます。
こういった部位において紫外線にさらされない皮膚に比べ、エラスチンは過剰に増えています。
エラスチンが増えたのに弾力が生まれないのは、不要な弾力線維ができてしまうからであり、その働きは全く逆に働くからです。
シワやたるみをより深くする方向に引っ張ることになってしまうのです。

エラスチンはコラーゲン線維の網目の交点にあり、コラーゲン同士をバネのようにささえ、皮膚の弾力を保つ働きをする。