敏感肌

敏感肌の角質層の状態

敏感肌とは、肌が過敏な状態で、皮膚トラブルを起こしやすい肌をいいます。

角質層の状態

  1. 皮脂が少なく乾燥しやすい
  2. 角質層の細胞と細胞の間の隙間が大きく、刺激物質が入り込みやすい

敏感肌の人

  1. 過去にカブレの経験がある人
  2. アレルギー体質
  3. 月経・妊娠・更年期でホルモンバランスがアンバランス
  4. 神経質で肌が過敏だと感じている人

敏感肌って?

日常的に敏感肌という言葉が使われます。
一般的に敏感肌とは、一般の人が肌に塗布したりしても、何の傷害を起こすことのない物質にも接触性皮膚炎を起こしやすく、かゆみ、ほてり、痛み、発疹などの症状が現れる刺激に弱い肌のことを言います。

最近では、ストレスや食生活、住環境の変化に伴って敏感肌の人が増えています。
一方では自分は敏感肌だと思い込んでいる人も少なくありません。
敏感肌といっても全ての刺激に過敏なわけでもありません。
全てのものにアレルギー反応を起こすような、ひどい状態の人はめったにいません。
例えば、化粧水、乳液、クリームなどの化粧品の中で全てにカブレが起きるわけではなく、1つだけにカブレたりします。
また、特定のメーカーの製品だけにカブレたりします。

安全基準を満たしている化粧品でも、人によっては肌に合わず、カブレや発疹が出ることがあります。
その場合、いつもと違う強い異常を感じたり、生じたときはただちに使用をやめることです。
特に目や頬、口唇の周囲が荒れるようであれば、化粧品が原因の可能性が高く、使用中止が治療の大前提となります。

化粧品による皮膚トラブルは、アレルギー体質によるものだけでなく、季節の変わり目や、月経・妊娠などのよる女性特有の体調の変化によっても生じます。
ですから、化粧品を使って、赤いポツポツ吹出物が出ただけで、自分は敏感肌だと決めつけたり、あきらめたりするのは早計です。

敏感肌のスキンケア

お肌をこすらない

敏感肌の人は、皮脂分泌が少なく乾燥しがちです。
スキンケアのポイントは、強くこすったりして肌に刺激を与えないようにソフトタッチを心がけることです。
表皮は0.2mmという薄さですから、こするだけでも大きなダメージを受けます。
例えば、クレンジングを必要以上に拭き取る、洗顔料をよく泡立てないで顔をゴシゴシこする、化粧水のパッティングが強すぎる、クリームを強くすり込む、マッサージやパックのしすぎなども、逆にお肌を傷めるもとになることがあります。

初めて使う化粧品の使用

  • 一度にたくさん使わず、徐々に慣れるように段階的に使い始める。
  • 使用中に激しくしみるとか、多少ほてりを感じる場合は、2~3日使用を中止して様子をみる。

化粧品が肌に合わないと、2~3週間ぐらいで皮膚トラブルが発生します。
トラブルが起きたときは、専門医の治療を受け、パッチテストなどで原因の物質をつきとめておくことが必要です。
そのままにしておくと、症状が進み、色素沈着を起こして治りにくいシミにまで発展することがあります。
また、原因物質が分からないと、化粧品を変えても皮膚トラブルを起こしてしまいます。

敏感肌と食品

皮膚の抵抗力を高めるには、タンパク質やビタミンB2、ビタミンB6、カルシウムを多く含む食品を積極的に摂るように心がけたいものです。

カルシウム

カルシウムは皮膚に抵抗力をつける作用があるので、不足すると、皮膚が不安定になり、気分もイライラしやすくなったりします。
カルシウムには皮膚の炎症を治す作用もあります。
牛乳・乳製品・小魚類・海草類がおすすめです。

カルシウムを体内に吸収させるビタミンD

カルシウムを体内に吸収させるには、ビタミンDを一緒にとることがポイントです。
肝油、卵、しいたけ、牛乳などがおすすめです。

健康のためにも、敏感肌を予防するためにも「カルシウム」と「ビタミン」は日常努めて食品から摂取することが必要です。
逆に糖分の摂りすぎは、皮膚の抵抗力が弱くなり、少しの刺激でも炎症を起こしやすくなります。

アレルギー体質の自己判断

自分で敏感肌だと自覚している人は、日常生活で注意する点がいくつかあります。
まず、自分自身がアレルギー体質かどうかを知っておくことが大切です。
アレルギー体質には次のような特徴があります。

  1. 両親のどちらかがアレルギー体質
    アレルギーは遺伝的要素が関与することもあります。
    父親か、母親のどちらかがアレルギー体質であれば、受け継いでいる可能性があります。
  2. 特定の食物でじんま疹が出たことがある
    サバなどの青魚、カニ、エビなどの魚介類、牛乳や卵などの特定の食べ物を食べたときに、じんま疹を起こしたのであれば、それらによるアレルギーと考えられますから、それぞれの抗原テストで確かめることをおすすめします。
    食物に関係なくストレスや過労などによってもじんま疹が起きることがあります。
  3. 春先にくしゃみや鼻が詰まる
    春先にくしゃみや鼻づまりがひどくなる、目までかゆくなるのが花粉症です。
    アレルゲンは、杉をはじめとする樹木の花粉です。
    それらが飛散して、鼻や目、喉の粘膜を刺激し、アレルギー反応を起こすことで発生します。
  4. 化粧品にかぶれたことがある
    化粧品には多くの成分が含まれていますが、その中のひとつがアレルゲンになることもあります。
    カブレなどが発生した時の体調など関係もあり、一概には化粧品の成分とは決定できませんから、パッチテストで確かめるようにしたいものです。
  5. 下着でこすれる部分がかゆい
    ブラジャーのストラップ部分やワイヤー入りのものではアンダーバスの部分、パンティストッキングのウエスト部分がかゆくなったり、赤くなったりするのは機械的な刺激が肌に加わるからです。
    繊維に残っている柔軟加工剤や蛍光剤の影響、合成繊維製品で発生することがあります。
  6. ほこりでくしゃみやかゆみが出る
    この場合はほこりに反応したダストアレルギーです。
    最近では空調設備の普及により季節を問わずに起きることが多いようです。
  7. 喘息や気管支炎になったことがある
    咳がなかなか止まらない、喉がヒューヒュー鳴るような症状は、呼吸器系の粘膜(気道)がアレルギー反応を起こしてしまった結果で生じます。
    アレルゲンとしては、スギ花粉やハウスダスト、タバコの煙、排気ガスといったものまで含まれます。
  8. 金属製アクセサリーでかぶれたことがある
    イヤリング、ネックレス、指輪、時計、めがねなどの金属が触れたことによってアレルギー反応が起こることがあります。
    肌がかぶれるだけでなく、ひどくなると表皮がむけたような状態になることもあります。
    ニッケルやクローム、コバルトなどはアレルギーを起こしやすく、チタンはほとんどカブレを起こしません。
  9. 肌が粉をふいたように乾燥する
    季節の変わり目や空気が乾燥する冬には肌がカサつき、ひどい場合は粉をふいたような状態になり、かゆみを伴うのはアトピー体質の可能性があります。
  10. 口の周りや頬がときどきかゆくなる
    口の周囲や、耳たぶ、首のまわりなど表皮が薄い部分がかゆくなるのはアトピー性皮膚炎にみられることです。
  11. 洗剤・シャンプーなどで指先がかぶれる
    手や手のひら、指の腹は皮脂が少ない部分です。
    その上、洗剤やシャンプーで脂分を奪われることで乾燥し、やがてカブレを起こすようになります。