難しそうな名前だけど肌には大切な働きをします。

タルク

滑石(かっせき)を微粉にしたもので、含水ケイ酸マグネシウムが主成分です。
中国、イタリア、インド、アメリカ、オーストラリアは主産地です。
化粧品としては、古代からおしろい用、メイクアップの下地として使用されてきました。皮膚に塗布すると吸着も良く、滑りがよくなります。
粒子が大きいほど、滑りがよく、透明感があります。ベビーパウダーなどにも使われます。

セルロースガム

半合成の水溶性ポリマーで、水溶性のセルロ-ス誘導体の一種です。
セルロースにモノクロロ酢酸ナトリウムを加えて製造されます。
白色の粉末または粒状で水に溶けると粘性の液状になります。
結合剤・乳化安定剤・被膜形成剤・粘度調製・感触改良・泡の安定などを目的に配合されています。
他の保湿制分との組み合わせにより、相乗的な保湿効果が得られます。
乳液・クリーム・パック・ファンデーション・頭髪化粧品などに使われます。

酸化チタン

イルメルナイト鉱を原料として、酸処理後、抽出などを行い化学処理して製造される白色顔料です。
被膜力がすぐれ、紫外線遮断作用は微粒子化でより高くなり、サンスクリーン剤の主役です。
皮膚に対し、収れん性がなく、生理的に不活性です。
酸化チタンは重要な原料として多用されていますが、さらに物理的性質を向上させるために表面をケイ酸や酸化アルミニウムなどで処理したものが使用されています。
白色顔料としてクリームや乳液、メイク品や紫外線遮断剤としてUVカット製品に使用されています。

ソルビトール

広く動植物界に存在する多価アルコールで、藻、海藻、タバコおよび多くの果物(リンゴ、、モモなど)に含まれています。
工業的には精製ブドウ糖を還元して得られます。
吸湿作用は緩和ですが、乾燥に対して水分を一定に保つ性質もあるので、保湿剤、柔軟剤として化粧品に用いられます。
皮膚や口腔粘膜に対して高濃度でも毒性や刺激性がまったくないので、歯磨きなどにも使用されます。

多価アルコール

ヒドロキシ基(水酸基)OHをもつ有機化合物(フェノール性ヒドロキシ基を除く)をアルコールといい、OHを2個以上もつ化合物を多価アルコールといいます。
ヒドロキシ基は水分子と水素結合をつくった状態を水和知れいるといいます。
アルコールが多量の水に溶けている場合はほとんどすべてのアルコールが水和していますが、水の量が少ない時は水和したアルコール分子と水和していないアルコール分子が存在します。
多価アルコールについても同様です。
またデンプン(広い意味で多価アルコールです)のように、冷水中では一部ヒドロキシ基しか水和していない物質もあります(加熱すると多くのヒドロキシ基が水和してデンプンにりになる)。

ラクトフェリン

牛乳に含まれる生理活性物質。
ラクトフェリンは母乳中に含まれると鉄結合性糖タンパク質です。
抗酸化能と皮膚本来の防御機能を高める働きをもっています。
SOD(活性酸素消去物質)と同様の抗酸化能をもちます。
ラクトカインは、ラクトフェリンとビタミン類、植物エキス複合体です。
老化の原因の一つの酸化の進行を止め、皮膚本来の防御機能を高める作用や、酸化によって引き起こされる炎症を抑える作用、さらに親和性や保湿保護効果にすぐれています。

加水分解卵殻膜

ニワトリの卵殻膜をアルカリまたは酵素により加水分解して得たものです。
鳥類の卵殻内面に存在する薄膜で創傷治癒効果があることは、よく知られています。
主成分はタンパク質あり、これに糖が結合し、糖タンパクとして存在し、保湿効果、活性酸素除去効果、細胞賦活効果をもちます。
皮膚の真皮中にコラーゲンを増やす働きがあり、シワ予防の化粧品に応用されています。

アテロコラーゲン

ブタの皮から採取した不溶性コラーゲンをタンパク質分解酵素処理して、コラーゲン分子の両末端にある抗原性のあるテロペプチドを除いて精製したコラーゲンをアテロコラーゲンといいます。
もともとテロペプチドはコラーゲン分子とは異質なもので、アミノ酸組成も本体と異なり、アレルギー反応の原因にもなりやすいのです。
したがって、テロペプチドを切断除外したアテロコラーゲンはアレルギー反応を起こしにくいコラーゲンといえます。
アテロコラーゲンは火傷や皮膚欠損部の皮膚カバー材など医用材として応用されてきましたが、皮膚の保湿効果が期待されて化粧品に用いられるようになりました。

シクロデキストリン

デンプンをシクロデキストリン構成酵素を分解して作ります。
シクロとは「環状」のことで、、グルコースの分子がリング状につながった構造になっています。
リングの空洞内部に香料や油溶性の成分などの物質を取り込む性質があり、分子レベルのカプセルとしての働きをもっています。

ベタイン

サトウダイコン、綿実そのほか多くの植物中に存在します。
植物から抽出される天然のアミノ酸系保湿剤であり、吸保湿性が高く、皮膚や髪に柔軟性と弾力性を与えることが特徴です。

グリチルリチン酸2K

サトウダイコン、綿実そのほか多くの植物中に存在します。
グリチルリチン酸ジカリウムは甘草の根から抽出して得られるグリチルリチン酸の誘導体で、水によく溶けるという性質をもっています。
解毒作用、抗アレルギー、抗消化性潰瘍作用が認められています。
皮膚科領域において、急性や慢性の皮膚炎に対して著しい効果をもっているといわれています。

セリン

多くのタンパク質中に小量ずつ含まれていますが、特に絹のタンパク質であるセリシンに多く含まれています。
非必須アミノ酸であり、グルコース(ブドウ糖)から生合成され、さらに分解するとグリシンを生成します。
NMF中に浮遊アミノ酸として一番多く含まれています。
保湿効果が高く、皮膚に柔軟性や弾力性を与えます。

グリシン

グリシンは、アミノ酢酸のことで、アミノ酸の中で、最も単純な形を持ちます。
白色の粉末で、のいはなく、味は甘い。
グリシンは生体内でセリンなどから生合成されます。
さらにグリシンからクレアチン、グルタチオン、グリコール酸など生理的に重要な多くの物質が生合成されます。
また、グリシンは身体のいろんなところに広く存在します。
例えば、皮膚のタンパク質であるコラーゲンを構成しているアミノ酸の3分の1がグリシンです。
ギリシャ語の甘い:glykysからこの名前がつきました。

セラミド2

セラミドの中ではもっとも保湿力が高く、外部の刺激から肌を保護する成分。
セラミド2を補うことで、表皮角質細胞を接着しているセラミドを助けます。
その結果、表皮内の水分が奪われるのを抑えて外部の刺激からも肌を守ります。

フルクトース

「フルクトース」とは日本語で“果糖”のことです。
果物や蜂蜜に含まれる糖質で、肌のうるおいを保ち、みずみずしくする効果があります。
また、ショ糖(砂糖の主成分)の構成糖としても存在しています。
ショ糖は、小腸上皮細胞表面にある膜の上で、スクラーゼという消化酵素によって、ブドウ糖に分解されます。

グルコース

「グルコース」とは日本語にすると“ブドウ糖”のことです。
デンプンを原料にして得られる甘味のある白色の結晶で強力な保湿力をもちます。
またデンプンやグリコーゲン、セルロースなどの多糖類の構成成分です。
体内では細胞の呼吸によって分解されエネルギーに変換されます。

コラーゲン

コラーゲンは哺乳動物の皮膚や腱、骨などの膠原線維を構成しているたんぱく質です。
コラーゲンは皮膚の線維をつくる細胞を刺激し、線維産生を促進させ、毛細血管の機能や水分保持能力を高め、弾力性を増すので肌の活性化、弾力性アップを目的に配合されます。

ヒアルロン酸

1gで6リットル分の保水力をもつといわれる保湿成分。
表皮、真皮の両方に存在していてヒアルロン酸の保水力が肌にみずみずしさを寄与しています。
昔は鶏のトサカや牛のさい帯などから抽出されましたが、今はバイオ技術によって開発された「ヒアルロン酸Na」が一般的です。