スキンケアのためにはぜひ知っておきたい用語集です。

しもやけ(凍瘡)

手足の指先、耳たぶ、鼻の頭など体の末端が赤紫色に腫れあがります。
寒冷による血液循環の悪化が原因です。
そのため冷たく、痛みを伴います。
そして温まって血流がよくなると痒くなります。
そして温まって血流がよくなると痒くなります。
冬期、学童に多く見られ、成人してからはあまり見られません。
予防には、まず保湿すること、靴下や手袋が濡れないようにし、手を洗った後はよく手を拭くことです。
その他、マッサージやビタミンEの内服も効果的です。

くすみ

年齢を重ねると、肌の水分保持力が弱くなり、カサついたりキメが粗くなったりして肌の表面がザラついた状態になります。
そうすると肌にあたった光が均一に反射せず、乱反射するため凹凸が強調されてくすんだ肌に見えます。
また、肌の生まれ変わりサイクルも長くなるため肌細胞が剥がれにくくなり、厚くなることで肌の透明感が失われてくすんだ肌に見えます。
さらに、毛細血管の血流不良により、全体的に元気がなく、冴えない顔色になります。
くすみは洗顔、保水、保湿、栄養といったケアにより軽減されます。

タルミ

表情筋の衰えとコラーゲン線維の減少からタルミは現れます。
真皮層に網目状に張り巡らされているコラーゲンとそのコラーゲンをつなぎとめているエラスチン、すき間を埋めているヒアルロン酸のすべてが満ち足りていて肌のハリは保たれます。
年を重ねるにつれコラーゲンの生成よりも分解が上回り、エラスチンやヒアルロン酸の補給も追いつかなくなります。
また、皮下脂肪も増加して、重みとなってくるためにまぶたや目の下、小鼻の横などにタルミが現れやすいのです。
予防策として、できるだけ顔の筋肉を使うことやリンパマッサージ、下から上へとスキンケアを行なう、肌を引き締めるなどがあります。

シワ

シワは皮膚の表面の皮溝が目立つようになったもので加齢現象の一つです。
小じわから深くなって大ジワになります。
小ジワは目や口の周りにできる小さなシワのことで、20歳代の若い人にも見かけられます。
肌を乾燥させすぎるためにできるので、化粧水や美容液、クリームなどの保湿により回復可能です。
そのままにしておくと大ジワは、真皮層の膠原繊維と弾力繊維の変性が大きな原因のため、消すのはほぼ不可能です。
大ジワの代表的なものとして額のシワ、豊令線(ほうれいせん)、目尻、そして首の大ジワなどがあります。

シミ(肝斑)

メラニン色素の生成と排泄のバランスが崩れると、メラニン色素が過剰に表皮内に蓄積されてできるのがシミです。
シミは20歳代から60歳代までと、年齢的に幅広く発生するのが特徴ですが、特に30歳代後半から顕著に現れます。
平均としては42歳前後です。
シミは別名、肝斑(かんぱんとも言われている褐色の色素班です。
これは肝臓の表面の紋様に似ていることに由来します。
肝臓疾患によって生じるからという説もありますが、肝臓疾患のみでなく、むしろホルモン異常が原因していることが多く、紫外線で悪化します。
シミはできる部位が狭い範囲に限られているのも、特徴の一つです。
また、身体の左右対称にできることも珍しくありません。

毛細血管

毛細血管は、心臓から出た太さ約1.5cm、壁の厚さ約2mmの大動脈がさまざまに枝分かれし、身体組織へたどり着いたきわめて細い血管です。
毛細血管になると7μという細い血管になります。
そして、より大きな静脈へと収束していき、心臓に戻っていきます。
太い血管では多数の内皮細胞が協同して血液を取りまいていますが、細くなるにともない内皮細胞の数も減少して、写真に見られるように1個の細胞だけでその断面を構成することになります。
毛細血管ではちょうど赤血球がやっとすり抜けられる太さに相当します。
真皮を走行している毛細血管から滲み出るようにして、栄養分が表皮へと送り込まれ、それと共に水分も補給されます。
一方では、老廃物を溶かし込み、静脈内に取り込みます。
このバランスが保たれていると水分量が一定となり、健やかな、みずみずしい肌を維持できます。

pH(ペーハー)

その物質が酸性か、アルカリ性かを指数によって表したのがpH(ペーハー)です。
「0」から「14」に分けられる「7」を中心に、数値が低くなるほど産生が強くなり、数値が高くなるほどアルカリ性が強くなることを表します。
皮膚のpHは皮膚そのものの値ではなく、皮脂膜の数値です。
健康な肌の場合、pH4.5~6.5の範囲です。
pHは、個人差が大きく、脂性肌は酸性に、乾燥肌はアルカリ性に傾きます。
温度や湿度の低下、加齢、湿疹、皮膚炎なども病巣部分の皮膚もアルカリ性に傾きます。

ムコ多糖類

ムコ多糖類はゾル-ゲル状の物質で、人間の関節や皮膚、腱、内臓、角膜などあらゆるところに存在して、細胞と細胞をつないでいます。
保水性に富み、肌の健康を保つだけでなく、各関節のクッションの役割を果たしたり、滑らかな動きをサポートする働きがあります。
水分保持のほか、血液が固まるのを防いだり、コレステロール値の低下といった働きもしています。
ヒアルロン酸、コンドイチン硫酸、デルマタン硫酸アなどはムコ多糖類の仲間です。

エラスチン

真皮は水分を多く含んだ厚い層でコラーゲンからなる膠原線維とエラスチンからなる弾力線維、およびこの間を埋める基質から構成されています。
弾力線維はエラスチンという黄色いランダムコイル型のたんぱく質からなり、乾燥真皮量の3~4%です。
ゴムのような弾力性があって、2倍近く引き伸ばしても、ゆるめるとまた元に戻ります。

コラーゲン線維

コラーゲンは皮膚、腱、骨などの結合組織の膠原線維を構成している線維状のたんぱく質です。
グリシン、プロリン、アラニン、グルタミン酸、アルギニンなど約20種類のアミノ酸から構成されています。
コラーゲンには可溶性と不溶性がありますが、可溶性は皮膚に保水性と弾力性を与えます。
歳を重ねたり、紫外線にさらされると不溶性が増え、弾力と水分保持能力を失いシワが形成され、これが皮膚の老化の一因と言われています。
可溶性コラーゲンは化粧品にもよく用いられます。
コラーゲンはもともと免疫活性が低く、アレルギーを起こしにくい物質ですが、さらにアレルゲンとなる可能性のあるテロペプチドを取り除いたアテロコラーゲンになると、全く抗原性がなくなり、敏感肌にも使用できます。

ランゲルハンス細胞

体外に侵入物質があると、表皮にあるランゲルハンス細胞によって、瞬時のうちにそれが自己のものであるか、非自己のものであるかが識別されます。
非自己と識別されると、それが人体にとって有益なものか、害を及ぼすものかに関わらず異物とみなして排除しようとする働きが起こります。
免疫作用をもつランゲルハンス細胞はいわばお肌のガードマンです。

皮脂腺

すべての毛は皮脂腺をもっていますが、活動が活発でない部位もあります。
内部の脂腺細胞の中で脂質の合成が行われ、最終的に細胞が破れ、排泄管から毛をつたって皮膚表面に分泌されます。
そして同じ分泌されている汗と混じり合って皮脂膜を形成します。
皮脂膜は洗顔などで洗い流されます。
再度、皮脂膜を形成するための皮脂は分泌するのに、季節や個人差、部位にもよりますが、30分から2時間かかります。

セラミド

角質細胞と角質細胞の間に細胞間脂質があります。
角質細胞同士の隙間を埋め、互いをしっかり結びつける、接着剤の役割をします。
これにより肌の表面はきれいに整えられ、さらに水分を保持することもできます。
細胞間脂質の約半分が、セラミドとよばれる脂質です。
セラミドは6つのタイプがあり、特にタイプ2が水分を保持する役割をしています。
タイプ1は角質層を通して物の出入りを抑えるバリアーの働きをしていると考えられています。

NMF

NMF(Natural Moisurizing Factor)とは角質層中にある水溶性の保湿因子です。
水を抱え込むために必要な成分の一つです。
アミノ酸やアミノ酸代謝物が主体です。
これらの成分は新陳代謝の際、自ら細胞の中に作り出しているもので、主に顆粒細胞のケラトヒアリン顆粒に含まれるケラチンたんぱく質以外のたんぱく質が分解したものです。

汗腺

汗は汗腺から分泌されます。
体温が上昇すると汗をかき体温を一定に保とうとします。
1日の発汗量は約1リットル。汗には体内の老廃物などを排泄する作用があります。
汗は弱酸性ですが、そのままにしておくと弱アルカリ性に傾いて肌が化膿しやすくなりますから、きれいに洗い流すことが大切です。

メラニン

メラニンはメラノサイトでつくられ、紫外線から肌細胞の中の核を守るための日傘の役割をします。
メラニンを含んだ肌細胞は新陳代謝によって表皮に押し上げられ、最終ははがれ落ちます。
メラニンは次々と生成されます。
新陳代謝が健全であれば生成と排泄のバランスが保たれシミやソバカスを防ぎます。

皮脂分泌量

1日の皮脂分泌量は平均1~2gです。
個人差や季節、生活などにより影響されます。
皮脂の分泌は絶え間なく行われているのではなく一定の量にまで達すると分泌を抑制するようになります。
低温・低湿の冬は皮脂分泌量が少なくなるので乾燥肌になりやすくなります。